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2010年8月22日

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AG100 を考える

AG100
もう少しじっくりと、AG100 について調べてみた。 REDBLUE
見れば見るほど、不思議なモーターサイクルで、調べれば調べるほど、色々な ことがわかってくる。非常に奥が深い機種のようである。

AG100 の歴史
AG100 の歴史は、1973年に遡る。 Yamaha Motor New Zealand Yamaha AG100 - Designed in Japan, refined in Tai Tap 1973年の AG100 については、確認できなかった。ヤマハの広報資料などから 1974年発売らしいので、設計が1973年で発売が1974年と考えるのが正しいのかも しれない。どちらにしても、1973年か1974年に生まれた、もう35年以上も歴史 あるバイクということには、変わりがなさそうである。あの SR でさえ、1978年 発売なので、ヤマハの中ではかなりの年齢で、あと数年もすれば43年間造り続けて いて2008年に生産中止になった Mate に追いついてしまいそうである。 エンジンの歴史はと言うと、1969年の AT-1 に遡る。1968年に発売の DT-1 の 125cc 版とも言うべきものが AT-1 で、その翌年の1970年に 90cc の HT-1 が 発売になった。HT-1 のエンジンは、AT-1 のエンジンと非常に良く似ており、 腰下の構造は、ほぼ一緒と言っても良いぐらいである。71年の名称変更と共に、 DT-1, AT-1, HT-1 はそれぞれ DT250, AT125, HT90 となり、さらに 1973年に、 AT125, HT90 はそれぞれ DT125, DT90 へと進化した。 この HT-1~HT90~DT90 のエンジンを2mmボアアップしたものが、AG100 に搭載 されているエンジンで、1973年に海外向け DT100 に搭載されたのが始まり。後に MT100, RS100, RT100, RX100(インド製を除く), YZ100 などにも搭載されるように なった。 AT-1 を調べると、ヤマハのページに記載があった。 二輪車・1960年代 | ヤマハ発動機株式会社 125 AT-1 このページでは、リターン式6段変速機、と記述されているのだけど、調べた限り 6速の AT-1 は見つからなかった。ヤマハのコミュニティプラザに行って、資料を 調べたが、5速リターンの記述しか見つからなかった。私の調査不足か、ヤマハの 記述ミスのどちらかでしょう。 関係ある機種を、発売年順に並べてみた。
車種ボア×ストローク備考
1968DT-1 70×64
1969AT-1 56×50
CT-1 66×50 海外向け
1970HT-1 50×45.6
1971AT12556×50
HT90 50×45.6
1972GT80 47×42 4速
1973DT10052×45.6海外向け
DT12556×50
1974AG10052×45.6海外向け
AG17566×50 海外向け
時代はトレールブーム真っ最中だったようである。
パワーアップを考える
当時のヤマハ車には GYT キットというパーツが存在した。DT-1 などのものは 有名で、そのキットを装着することにより競技車に近い戦闘力が得られるもの である。以下は、AT125 と HT90 の GYT キットのスペックである。
車種ボア×ストロークGYT 馬力
HT9050×45.616ps/10500rpm
AT12556×5020ps/8500rpm
例えば、市販 AT125 のままだと13馬力なので、6割以上のパワーアップとなる ものである。この GYT キットを組み込んだ状態でも販売され、車名はそれぞれ MX125, MX90 となっていた。 この HT90 の GYT キットを利用すれば、AG100 もパワーアップできると思われ るが、海外では MX100 が発売されていたので、この MX100 のパーツを装着する ことが手っ取り早いかもしれない。ただし、ピストンリングが1本になったりと、 耐久性等のリスクがある。 ただ、GYT キットや MX100 のパーツは入手するのが困難であろうと思われるので 2000年ぐらいまで作っていた競技用の RT100 や YZ100 のパーツを使うなどの 方法も考えるべきかもしれない。パワーの前にブレーキをなんとかしたくなる だろうけど。
部品入手
AG100 の電圧について、色々調べてみたが 12V の記述もあったり、6V の記述も あったりと、はっきりとわからなかった。発売年数は長いが、趣味のモーター サイクルではなく実用向けなので、web などでも情報が少ない。 ヤマハペルーにあった AG100 のパーツカタログの中で一番新しい2002年のパーツ カタログを見てみた。型式名は 3HDA の 6V 仕様で色はブルーのみ。アフリカ などではよく赤を見かけるのだけど、これは地域的な嗜好なのでしょう。この パーツカタログから気になる部品を、ヤマハの部品情報検索で調べてみた。 ヤマハ 部品情報検索 http://parts.yamaha-motor.co.jp/parts-search/ 入手できるかどうかは、部品により、というところ。あるものは販売終了の扱い だったり、あるものは値段が付いて在庫あり、だったりした。世界各地で販売 されている AG100 は日本製のようなので、ほぼ全て部品がでると想像していた 期待があったので、少しがっかりした感じである。 入手できない部品があるとは言え、家で部品の入手可否がすぐにわかるので、 ヤマハの部品検索は非常にありがたい。これだけでもヤマハのモーターサイクルを 買う理由にもなる。
買うとなると
国内で極僅かだが、AG100 が流通しているようなので、過去に販売していた所が あったのかもしれないが、今は探した限り見つからなかった。 AG100
レッドバロンは、オーストラリアやニュージーランドに支店があるので、お願い すれば車体を入れてくれるかもしれない。だけど、値段がかなり高くなるのでは と思う。 現在、AG100 を入手できる国は、ニュージーランドやオーストラリアの他に、 南米やアフリカがあるようである。ヤマハの web ページが無いような国も多い ので、具体的にどこの国で発売されているか不明である。言葉の問題や輸送の 問題、お金の支払いの問題なんかを考えると、入手するならニュージーランドか オーストラリアから買うのが安心できるのではと思う。 やはり、入手するなら、現地の販売店で買って輸送するのが確実な方法なのかも しれない。

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