ここに書かれていることは無保証です。同じことを行って問題が発生しても、 龍義は責任をとりません。

2010年12月26日

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TF125 購入の流れ

事前調査
昨年の年末にニュージーランドへ行き、事前調査を行った。実際の車体を見て 大きさや装備を確認したりした。 ファーム向けの乗り物、二輪車や四輪バギーは都会の店よりも田舎の店の方が 新車も中古車も在庫数が多く、都会の大きな店に行けば色々置いてあると思って いたので、最初はファーム用の乗り物はあまり売ってないものなのかと思った ぐらい。良く考えればわかることだけど。 スズキの店スズキの店
候補から外れていたが、実際に見ると考えが変わる可能性もあるかと思って、 ホンダの店に行って NXR125ES も見てみた。スタイルが圧倒的に良いが装備面 では乏しい。磁石式のタンクバッグも使えないような感じだし。 NXR125ESNXR125ES
この時点でスズキの TF125 かヤマハの AG100 に絞っていて、その場で買って 送る手配をしようとも思っていた。スズキの店に行くと TF125 の在庫がないと 言われてあきらめることになったが、販売店の連絡先を聞いて E-mail で注文 できるかの確認なんかをしておいた。さらに気が変わって AG100 を買うことに なる場合も考えられたので、ヤマハの販売店の連絡先も聞いた。と言っても、 レッドバロンなのだけど。Auckland のレッドバロンでは日本車の新車はヤマハと カワサキしか扱っていない。 レッドバロンレッドバロン
ということで帰国した。 スズキのディーラーの人が言うには、冬になればメーカーの在庫が増えるので そのときに注文してくれ、ということだったので、6月まで待つことになった。 6月にニュージーランドのスズキのページを見ると、なんと TF125 の値段が安く なっている。どうやら National Fieldays での特別価格らしい。早速メールを して注文してみた。ところが、特別価格のためにメーカー側で在庫がなくなって しまったらしい。タイミングが悪かった。 待つこと2ヶ月、10月にはニュージーランドの消費税が上がるし、円高でだいぶ 良い具合になったので在庫を確認してみた。新車が次の船便(?)で届くとの 話だったので、注文することにした。
本体価格3,595.00 NZD
配送料 200.00 NZD
配送料には車体を港まで送る料金と、invoice を日本に送る料金等が含まれて いる。車体の組み立てもしないし、保証も初回点検も不要なので安くならないか と聞いてみたが、値引きはなし。どこのディーラーでも同じ値段で売っていた ので、そういうものみたいである。ディーラーは shipper として FCA という 形となった。 意外と販売店の輸出対応がすんなりしていて、後でわかったことだが、時々輸出 販売をしているとのこと。輸出先は太平洋の島々で(多分、フィジーとかトンガ とかニウエ辺りだと思う)、日本への輸出は初めてだと言っていた。なるほど、 とちょっと国の位置関係を地図で見たりして関心した。

輸送の手配
港から海を越えなければならない。色々と輸送会社に電話をして聞いてみた。 DHL とかは法人受けしかできないと言われたりして、法人扱いにもできなくも ないけどできれば個人で扱いたい。車体がクレートの状態でフォークリフトの フォークが下に差し込めるので、ここは安い海上コンテナ輸送(LCL)にした。 現地の会社にお願いしても良いのだが、探すのが大変なのと、私の英語力では 伝えたいことが伝わらない可能性もあり、日本にある会社にお願いすることに した。6月の時点での見積もり金額。通貨が3つ混在している。
O/F 84.00 USD/cbm
BAF 24.00 USD/cbm
PSS 8.00 USD/cbm
Docs Fee 65.00 NZD
Customs Transaction Fee13.50 NZD
Security Fee 15.00 NZD
Handling Charge 5,250 JPY
Handling Charge 以外には CC Fee が5%掛かる。自分で輸入する人は、略語が 何か調べてわかるぐらいにはしたいところ。 販売店の人が言うには、クレートのサイズは 800×1,300×2,300mm の 2.4立米、 102kg なのだけど、どう考えても大きい気がしたんだよね。結局輸出港での計測 では 530×980×1880mm の 0.976 立米の 130kg となり、1立米の値段になった。 荷物輸送の保険、いわゆる海上保険をどうするか、という問題があり、ちょっと 相場の値段を調べるために AIU 等の海上保険を扱っている会社4社ほどに電話 して聞いてみた。1億円以上でしか受けてくれなかったり、5000万円以上で法人 扱いの年間包括取引のみ、と言われたり。どう考えても20万円そこらの値段で 受けてくれない。かと言って、船が沈んだり荷物の上に重いものが落ちて使えなく なったりしても困るし、ちょうど台風シーズンなので保険に入りたい気もする。 結局色々あって、輸送会社の好意により3000円で済むことになった。 何とか輸送の手配が済んで、車体を積み込んだと E-mail をもらった。E-mail に vessel の情報もあったのでスケジュールを確認をしてみると、日付的に Auckland の積み込みに間に合わない。運行が遅れているのかと思っていたのだけど、B/L を もらって確認すると、Tauranga で積み込んでいた。どうやら陸送したようである。 Tauranga か、懐かしい。夜中の4時に火災報知器で起こされた記憶が。

日本での受け取り
荷物はシンガポールで積み替えが入るので、積み替え後の vessel がわからない。 予定では合わせて5週間ぐらいで横浜に着くことになっていたが、実際は3週間 ぐらいじゃないかな、と甘く考えていた。結果はちょうど1ヶ月で到着することに なった。 車体を引き取る前、と言うか税関に行く前に、原産地証明が欲しい。スズキに 確認をしたが、運輸支局(昔の陸運)での登録用の証明書はあるが、通関用の 書類はないとのこと。運輸支局向けの書類も、そもそも 125cc クラスの TF125 では発行できないとのことだし。ただし、TF125 は日本製であることを確認して もらった。 なぜ原産地証明が欲しいかと言うと、税金の関係。物を輸入した場合、関税と 消費税がかかる。モーターサイクルの関税は0%なのでお金がかからないが、 消費税がかかる。今回の私の場合、関税(あったとして)と消費税が無税になる 方法がある。再輸入免税というもので、日本から輸出されたものを、そのまま 日本に輸入したものに該当するものである。これを使ってなんとか無税に持ち 込みたかったため、原産地証明が欲しかった。 それが得られないなら仕方がない、消費税は13,000円ぐらいなので、税関で面倒な 話になるのだったら、払うつもりで税関に行くことになった。 横浜税関山下埠頭出張所山下埠頭出張所
横浜税関山下埠頭出張所では、輸入申告書を提出。わからなかった所は職員の 人に聞いてなんとかなった。年初、東京税関成田空港貨物出張所に行ったとき、 輸入申告書が1枚30円と無駄に高かったので、事前に税関のページから C-5010 ファイルをダウンロードし、印刷して持っていった。それ以外に通関証明書を 発行してもらうので、その申請用紙を書いて発行手数料として収入印紙400円を 購入して貼った。通関証明は登録の際に使うもの。原付(二種)なので、譲渡 証明があれば済むので不要かもしれないけど、後日発行はできないと言われた ので貰っておいた。 問題だった消費税(と形では関税)の免税は口頭で、日本製を確認しました、 と伝えて無税となった。貨物検査があった場合、箱に日本製と書いてなかったら 荷物を開けて色々証明しないといけなくて面倒だなと思っていたが、後で箱を 見ると大きく MADE IN JAPAN と書いてあったので、心配は無駄なものだった。 MADE IN JAPANMADE IN JAPAN
ついでに、箱にはサイズも書いてあって、520×960×1870mm の 0.934 立米、 料金計算されたときのサイズは 530×980×1880mm の 0.976 立米 だったので、 誤差があったようである。どちらにしても、1立米扱いで値段が変わらなかった ので、気になるほどでもないけど。 輸入許可が下りたので、蔵置されている荷物をとりに行く。この辺りは、昨日 書いたのを参考に。ここで 12,230 円を払い無事に引き取ることができた。 明細は以下の通り。
CFS Charge3,980 JPY46.85 USD/cbm
CH Charge 1,250 JPY1,250 JPY/cbm
D/O Fee 7,000 JPY 
この料金を倉庫で直接払ったが、通常は振り込み扱いになるようである。 上に書いた部分は乙仲と呼ばれる通関業者に依頼するのが一般的である。関税に 関するノウハウがあって、色々と面倒な作業を代行してくれるので、初めての人は 乙仲を利用するのが便利でしょう。

まとめ
注文から到着までの流れは、以下のような感じ。
2009年12月21日販売店にコンタクト
2010年6月6日 販売店にサイズ確認
2010年6月17日 販売店に注文
2010年6月18日 売り切れの連絡
2010年8月8日 販売店に在庫の再確認
2010年8月18日 クレジットカードで支払い
2010年8月30日 車体が販売店に到着
2010年9月1日 車体が Auckland 港に
2010年9月5日 Tauranga 港で積み込み
2010年9月19日 シンガポール港で積み替え
2010年10月4日 Arrival Notice が来る
2010年10月5日 横浜港に到着
2010年10月6日 横浜港で積み降ろし
2010年10月8日 レンタカー予約
2010年10月13日横浜港で受け取り
気になるお金は以下のようになった。全て日本円で記述している。容積が少なく 収まったため、思ったよりも海上輸送料が安くなり、考えていた価格よりも安く あがった。
車体 237,042港までの配送料含む、C/Cの請求額
海上輸送料25,024 保険料含む
振込手数料262 海上輸送料分
レンタカー6,300 12時間
ガソリン 600 レンタカー分
収入印紙 400 通関証明書用
蔵置料 12,230  
281,858
これにはニュージーランドに行ったお金はもちろん入っていないし、港で食事を したような直接関係無いお金は除外している。 燃料調整費や為替レートの関係もあるし、ニュージーランドの消費税が上がった のもあるので、これと同じ価格で買える保証は全く無い。

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