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2011年1月31日

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TF125 スプロケットを考える

ドライブスプロケット
最高速の頭打ちが早いので、スプロケットを使ってギア比を変えたい。TF125 に 装着できて入手できるものを探してみた。単純に車種で検索してみると、あまり 選択肢が無かった。 ここから調査の始まりで、他社のもので流用ができるものを探してみる。まず、 ドライブスプロケットの留め方。センターを大きなボルトで留めている。他社の 機種は、スプロケット自体にネジ穴が開いていて、そこで留めることが多い。 パーツカタログで確認してみた。 TF125 ドライブスプロケット
TF125
YBR125 ドライブスプロケット
YBR125
実際の TF125 のスプロケットを見てみたが、ワッシャが邪魔でネジ穴の確認が 出来なかった。 TF125 ドライブスプロケット
TF125
YBR125SP のスプロケットは以下のようになっていた。 YBR125 ドライブスプロケット
YBR125
TF125の場合、ネジ穴がいくつ有ろうが無かろうが、真ん中の穴の形状さえ合って いれば適合することになる。 留め穴無しドライブスプロケット
本来の形
留め穴2つドライブスプロケット
これでも装着できる
それを踏まえて、各社のカタログを参考にパーツ用品店にも行って確認をして みた。純正/各社に分けて記述してみる。
純正品番(ドライブスプロケット)
TF125 の元々のドライブスプロケット品番は 27511-20400 で部品(番号)の変更が あって 27511-20401 となった。歯数は13丁で、TS125 の15丁なんかがそのまま 流用ができそうである。一覧にしてみる。
歯数 品番(cur) 品番(rep) 主な機種
12 27511-2041127511-20410,27511-08700 S32-2,A100,AS100,AC100,
B105,B100,RM85,RM80
27511-48400- LT80
13 27511-2490127511-24900 TM125,RM125,TS100,TM100
27511-2040127511-20400,27511-08710 TF125,GP100,B105,B100
RM85,RM80
14 27511-1370027511-20700,27511-36200,27511-48100TS125,RG125,GP125,TS100,
TM100,GP100,B105,B100
27511-2042127511-20420 RM85,RM80
15 27511-2710027511-20000,27511-48000 TS125,K125,RG125,GP125,
DS125,TS100,TM100,GP100
16 27511-20710- TS125,RV125,T125,RV90
ここには、ちょっとした混乱(私の話)があって、例えば15丁の 27511-20000 や 27511-48000 は部番変更があって 27511-27100 になっている。20000 や 48000 にはネジ止めの穴が開いていないが、27100 にはネジ穴が2つある。同様に、 27511-20410/27511-20400/27511-20420 は RM85/80 用のもので、軽量化している ような大きな穴がいくつか開いており、中心穴周辺も若干凹んでいる。RM では サークリップ留めなのだが、27511-08700 では(30年以上前の機種だが)ネジ止め、 TF125 でもネジ止め、また GP100 の一部の年式で 27511-13700(rep.27511-48100) と 27511-20401(rep.27511-20400) とが併記されていた。27511-20401 の実際の 写真を見る限り軽量化の穴処理はないので、27511-20400 から 27511-20401 に なった時点で軽量化の穴がなくなったと予想している。 変更後の部品番号を10年ぐらい前のスズキ純正部品希望小売価格表で確認すると 27511-48400 以外は値段が付いていて日本で手に入るようである。 上記では、ネジ止め穴無しでの機種を挙げているが、27100 等でのネジ止め穴 有りの機種まで含めるとかなりの量になる。 ネジ穴付きまで含めた部品番号一覧を作りかけたけど、そんなに採用機種が無い のと、部品番号の確認を複数の箇所で確認できなかったので、省略することに した。 ドライブスプロケットを520のチェーンに変更した場合の、スプロケット一覧を 作ってみた。ネジ穴付き有り/無しを混在させている。
歯数 品番(cur) 品番(rep) 主な機種
1227511-2900227511-29001,27511-29000TS185,DS185
27511-1030127511-10300 GT200,SB200
13- -
1427511-36100- TS185,GT185
ただし、チェーンを太くすることでチェーンがチェーンガイド等に当たったり、 チェーンの中心も変わるのでスプロケットがスプロケットカバーに当たる可能性が ある。それと、何れの番号もスズキ純正部品希望小売価格表に見当たらないので 日本での入手は難しいと思われる。
他社純正品番(ドライブスプロケット)
中心の穴の形状は、ホンダでは CT110(の副変速機なし)、カワサキやヤマハでは 多数の機種に採用されていた。ホンダも CT110 以外でも同じような穴で、中心の 穴だけ半径1mm大きな形状のものを採用している機種があるので、緊急時に装着が 可能だがここでは省略した。また、スプロケットの表面にゴムや突起が付けられて いるものがあり、固定ボルトを締め込む際に邪魔になって装着できない可能性が あるものも含まれていると思う。 ネジ穴の部分は、「ネジ穴数-使用ネジ-ネジ穴中心とスプロケット中心との距離」 の記述である。 ホンダ一覧
ネジ穴 15主な機種
2穴-M6-17 23801-459-000CT110(副変速機なし)
カワサキ一覧
ネジ穴 13141516主な機種
なし
(止め穴)
13249-00113249-00213249-003-F6,F6-A,F6-B,F7,F7-A,F7-B,F7-C,F7-D
13144-05313144-066
13144-1058
13144-054-KE175,KE125,KH125,
KC100,KH100,KE100,KM100
13144-03113144-002
13144-029
13144-1007
13144-032-KE125,KH125,90SS
2穴-M6-15
(止め穴2つ)
-13144-1071
13144-1134
13144-1177
13144-1310
13144-1144KMX200,BN175(Eliminator175),AR125,
BN125(Eliminator),KDX125,KMX125
3穴-M6-15 13144-00113144-004
13144-052
13144-003
13144-051
13144-1010
-KX125
多分、3穴とネジ穴無し(+止め穴)の番号が混在していると思う。どちらも TF125 に装着するには大きな違いがないので時間を掛けたくなかった結果から なのだけど、実際にカワサキの自動二輪車に使用する際は形状を確認してから 注文をしてもらいたい。 13249-001/13249-002/13249-003 はワッシャに突起がついており、スプロケットに 差し込んで使うため穴が開いている。パーツカタログでは穴が1つ、実際に使う のも穴一つなのだが、実際の製品には3つ穴が開いている。 ヤマハ一覧
ネジ穴121314151617主な機種
なしcur93822-1201293822-1302493822-1403793822-1506593822-1609393822-17117DT175,TZM150,RX135,
DT125,RS125,RX125,
YT115,DT100,DX100,
RS100,YZ80,TZR50
rep174-17461-20174-17461-30174-17461-40174-17461-50174-17461-60174-17461-70
1穴-M6-16---93822-15068--YBA125
2穴-M5-15-93822-1321393822-14813---TTR125,YBR125,YB125
2穴-
M6-17
cur3TU-17460-00-93822-1404393822-1507093822-16095-AG200,SR185,XT125,
DT125,TZR125,RD125
RX-Z,YB125,YBR125,
SR125,XT125X,XT125R,
YD125,TDR80,TDR50,
TZR50,RZ50,TZM50
rep--5N0-17461-41
5N0-17461-40
5H0-17461-5010V-17461-60
34Y-17460-00
-
1穴-M6
穴位置不明
--93822-1480093822-15808--FZ16,Gladiator(125),
YBX125,YB125,YBA125,
YD110,YBR110
最近のパーツカタログを見ると、ネジ穴無しの 93822-14037 等はネジ穴付きの 93822-14043 に変更されているようである。その辺り、いくつも変更を受けて いるようで、穴位置が不明だったりして、記載していない番号もいくつかある。 ヤマハは同じような部品でも、部品の番号が混在しており、スズキのようなうまく 統一させて単純な管理をしていないので純正部品番号が多く存在することになって しまっている。最近では、93822番を振っているようだが、98322 の12丁を 3TU に 振り直ししていたりして、まだ昔の伝統が残っている。 この中に YBR125 のドライブスプロケットが含まれているということは、ヤマハ から同型のエンジンを供給してもらっている機種で、428 サイズのチェーンを 採用している Rieju, JIANSHE, Beta などの純正部品でも該当するものがある。 同様にその他のメーカーでも多数の対応機種があるが、膨大な量になってしまう ためここでは省略する。
各社品番(ドライブスプロケット)
アフターマーケットパーツメーカーの各社製品番号は、以下のような感じ。基本が ネジ穴無し、もしくは空冷時代の TS125 のものとし、そんなに気合を入れては 探してないので、抜けや間違いがあると思う。
product 対応型番丁数 その他対応型番
SUNSTAR 203 12~15206
XAM 28200 10~17C3201,C3304,C3305,C3402
NTB n/a - SPY-009F
KITACO 530-0077212~17-
DRC D33-311 13~16D33-301,D33-415
TARON TG108 11~17-
Renthal 258-428 12~15423-428
SupersproxCST416 13~15CST548
JT JTF416 13~15JTF417,JTF418,JTF425,JTF548,JTF550,JTF1263,JTF1550
Moose M607-32 13~15M602-34
VORTEX 15605 14 -
PBI 732 11~23432
上記の表の Sunstar では、日本の Sunstar の情報を引用している。Sunstar の 203 は、US の Sunstar のサイトを見る限り 201 で、US の Sunstar の 203 は 穴付きの形状のようであった。念のため日本の Sunstar である国美コマースに 問い合わせしてみると、番号は基本的に同じはずだがアメリカでの製品は全て 把握してない、というなんとも頼りない返事をもらった。Sunstar の製品は、 スプロケットに複数のネジ穴が開いており、いくつかに対応するという便利な ものなのだけど、そのための混乱がおきるし、あまりにもまとめられ過ぎている 感じもする。 例えば、セロー225(XT225)(全年式かどうか不明)のドライブスプロケットは、 スプロケットの車体側が凹面加工されている。サンスターや XAM 等の社外品では 互換表を見る限りこの凹面を無視しているようで、この製品を装着すると、数ミリ だけチェーンのセンターがずれてしまい、チェーンとスプロケットの変磨耗や、 チェーンの脱落の原因に繋がるのではと心配。数ミリなので誤差の範囲かもしれ ないが、個人的には気分が良くない。Ritzel や JT 製のものでは、見る限りこの 凹みを正しく再現しているようである。 この中で選ぶとすれば、キタコの製品が安価で比較的に入手し易いので、良い かもしれない。
ドリブンプロケット
ドリブン側のスプロケットは、6穴のもので TF125 の丁数は55。互換があるのは 以下の番号。
歯数 品番(cur) 品番(rep) 主な機種
44 64511-4800164511-48000 TS125ER,DS125,DS100,TS100
46 64511-48010- TS125,TS100
47 64511-05210- SP125,DR125,TC100
49 64511-28700- TS125(opt),TC100(opt)
50 64511-28000- TS125,TC100(opt)
51 64511-2877064511-28710 TS125(opt)
53 64511-44A0264511-44A01 DR125(Djebel),DF125,SX125,
DR125,DR125SE,SP125
5564511-4841164511-48410 TF125
64511-4132164511-41320 RM125,RM100(opt)
57 64511-4131164511-41310,64511-41601RM100,RM125(opt),RM100(opt)
58 64511-28721- TM125(opt),TM100(opt),RM100(opt)
59 64511-4133164511-41330 RM125(opt)
60 64511-4100164511-41000 RM125(opt),RM100(opt)
61 64511-2830164511-28300,64511-28731RM125,TM125(opt),TM100(opt)
64 64511-28741- TM125,TM100,RM100(opt)
67 64511-28751- TM125(opt),TM100(opt),RM100(opt)
10年ぐらい前のスズキ純正部品希望小売価格表で確認すると、入手できるのは、 64511-48001 64511-05210 64511-28000 64511-44A02 の4つ。どれも7000円以上の価格がついているのだが、web で調べた限りそれ程 高いものじゃないみたいなので、詳細は不明である。どちらにしても、TF125 で 交換時期が来たら、TF125 販売国から取り寄せるか、Djebel 等の53丁の選択と なってしまうようである。 TF125 のオリジナルは黒色のものなので、Djebel 用銀色のスプロケットではなく できれば黒色のものが良いのだけど、入手性と引き換えにあきらめるしかない。 TF125 ドリブンスプロケット
ドリブン側
他社純正は、同型のものは見つからなかった。社外品の一覧も寂しいもの。
product 対応型番丁数
SUNSTAR(US) 2-2132 44,47,53
JT JTR809 44,45,46,47,49,50,51,53,54,55
PBI 6032 29~61(アルミニウム)
純正での 520 コンバートは、ドリブン側でも可能である。
歯数 品番(cur) 品番(rep) 主な機種
37 64511-29720- TC125
38 64511-29700- TS185(opt),DS185(opt),TC185(opt)
39 64511-29000- TS185,DS185,TC185
40 64511-29710- TS185(opt),DS185(opt),TC185(opt)
45 64511-42A0164511-42A00 DR200,DF200,SP200
54 64511-38000- RL250
58 64511-38700- RL250(opt)
61 64511-38710- RL250(opt)
しかし、日本で手に入るのは Djebel200/DF200 の45丁のみと思われる。
まとめ
ドライブ側のスプロケットの供給は当分問題がなさそうである。それとは逆に ドリブン側は日本で純正丁数の部品が容易に手に入らないことを含め、だいぶ 選択肢が限られてきそうである。高速側に振ろうと考えていたので、ドリブン 側は Djebel125 等の53丁にすれば(正に)丁度良いかもしれない。

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